左脳と右脳の働きと障害  

―LDとの関係から―  

LD(学習障害)は、その名前の通り教科学習の困難性から説明される概念ですが、何らかの脳機能障害を持つという点に視点を当て、脳の働きから捉えて見るとより分かりやすい面があります。

そこで、大脳機能と学習障害との関連について簡単に説明してみましょう。脳は、最終的には1つの機能として働きますが、左脳、右脳ではその担う働きが異なります。  

左脳は、主に聴覚言語機能を司ります。日本人の98%は、この左脳に言語中枢があると言われています。耳から入った音やことばを理解し、また考えたことをことばにして表現する機能です。  
右脳には、空間の認知や図形の認知等の視覚情報を処理する機能や音楽を理解する機能があります。

LD児の分類の1つの方法に、この左脳を中心とする聴覚言語系と右脳を中心とする視覚運動系さらに記憶系に分ける方法があります。記憶系も聴覚記憶と視覚記憶に分かれます。
この考え方は、脳の働きの違いに基づくものです。  

聴覚言語系つまり左脳の働きが弱い場合には、言語理解の困難、発音障害、文法障害、論理思考の困難性等が見られます。このような問題があると、教科学習上では、左図に示したように国語の内容理解ができない、算数の文章題ができない等の問題がでてきます。

視覚運動系が弱い、つまり右脳が弱いまたは左右の脳の働きが悪い場合には、図―地の混乱や形の混乱、方向の混乱等が見られ、教科では、国語の書字、読字の困難があったり、算数では図形が苦手、図画では描画がうまくできない等の問題が起こってきます。  

LD児は、まだ未分化な脳を持つ子どもであることや、左右の脳の統合がうまくいかない結果であるという説もありますので、一概に左右どちらかの障害に限定することはできにくい面もありますが、この脳の機能の違いを知っておくことで、指導を系統的に組み立てていくことにつながります。  

教育現場でのLD指導は「教科」という単位での見方になりがちですが、このような脳機能からの視点を加えることで、問題の基礎にある系列的指導が可能になると思います。