どこから手をつけるのか?  

子どもがLD児であるということに気付いた時、まず、親や先生はどこから手をつけるのか? という問題にぶつかります。  何から始めればよいのかというのは、学年(年令)と大きく関連します。年令が低ければ低い程、問題を未然に防いだり、予防的取り組みができます。

しかし、現状では学習障害ということがはっきりわかる、つまり診断がつくのは、小学校の1・2年生で教科学習が始まってからになることが多いようです。この段階ではっきり診断がついた場合は、まだそれほど問題は大きくなっていません。

親が問題の所在に気付き始めた頃は、「あれもできない。これもできない」とできないこと(短所)が次々と目につきます。何につまずくのかをしっかり見極める必要がありますが、同時に子どもができること(長所)も見ていく必要があります。  

例えば、「ルールのある野球は理解できないけれど、相撲は好きで勝ち負けを理解できる」「勉強はできないけれど、掃除や後片付けはきちんとしている」というように性格や趣味等で大きく見比べる方法も一つの方法です。  

しかし、学習を進めていく時の短所と長所の見方は、もう少し絞ってみる必要があります。ひらがなには興味がないが、ロゴやマーク、漢字には興味があるとか、国語の読みは苦手で、1ページ読むのにすごく時間がかかり、本人も読みたがらないが、理科の昆虫図鑑だと説明を読もうとする、またはしきりに読んで欲しがるというように、文字なら文字、読みなら読みとの関連を整理しながら長所と短所を見ていく必要があります。  

苦手と得意がわかったら、得意な方から始めます。先程の「読み」を例にとると、苦手な国語の読みをさせる前に、得意な理科の図鑑を一緒に見たり読んだりすることから始めます。何度も読んでもらって、暗記するくらい知っている説明文を子どもに読んでもらうことから始めます。本人が自信を持っていることから始めるわけです。

大人はつい「苦手なことから始めよう」と考え、それが一見合理的な方法のように感じますが、苦手なものをしたくないのは、大人も子どもも一緒です。まずはできるもの(長所)から入って、一緒にすることを習慣づけ、それをさらに伸ばすことから始めていきます。

まず、育てなければならないのは、「自分にもできる、また他の人よりできる」ことから始め、やろうとする意欲を育てることです。意欲と自信がついてきたら、少しづつ苦手なことも含めながら進めていきます。  

学年が高い子どもの場合に、今までの学習経験の中で失敗経験を非常に多く積んでいるために、得意なものを見つけるのが困難な場合も多いのです。  教科の学習と決めつけず、何か新しく始められることの方が失敗感が無く取り組みやすいように思います。また、始めから競争しなければならないものは、避けたほうが良いでしょう。