聴覚系認知のプロセスの障害

・口頭指示に従えない
・話の内容が理解できない
・クラスの中で話を聞いていない
・ことばを覚え間違う
・聞いても、すぐ忘れる
・すぐ聞き返す
・語いが少ない
・指示代名詞が多い
・会話がトンチンカン


    ↓

学習力が低下


カクテルパーティー効果  ―音の選択性―

  ・たくさんの人の話し声でがやがやした場面でも、話を聞いたり、
   知人の話し声を聞き分けられる力

※音の選択性に問題をもつ場合、騒音でしかない

    ↓

教室の中での教師の指示の聴き取りができない


聴覚系認知のシステム ―ことばは脳で聞く―

よくLD児や自閉症児がことばへの反応が悪いことから、耳の聞こえが悪いのではないかということで、聴力検査を行ったという話を聞きます。その結果は、ほとんど聞こえには問題がありませんという診断を受けています。

 「聞こえる」「聞いてわかる」というシステムには、実に大きな違いがあり、そのプロセスは、記憶の障害のページの図のような複雑なプロセスがあります。  
耳から音として入ったことばが電気刺激にかわり、左脳の聴覚野に届き、知覚され、ことばとして認知されるわけですが、「聞こえる」は知覚にあたり「聞いてわかる」は認知にあたります。ことばは耳で聞くというより耳で伝えられ脳で聞くと考える方がよく理解できます。  

LD児の言語の問題の基礎には、この聴覚認知のシステムが大きく関与していると思われます。また、先に述べた記憶のシステムとの関連も大きいのが、ことばの理解の問題でもあります。  

ことばの認知について例をあげて考えてみましょう。  
例えば、「カメ」と「アメ」は文字表記すると、違いは一目瞭然ですが、音で聞くと「kame」「ame 」となり、「k」という聞き逃しやすい音素の違いとなり、脳のレベルでこの音の弁別(区別)が弱いと聞き間違うということが起こってきます。  

最近のアメリカの「失読症(ディスレキシア)」研究では、読めないのは視覚的認知の問題だけではなく、聞くプロセスにあるかもしれないという内容の論文が発表されています。  それによると、言語中枢のある左脳の一部が普通の人と異なり、「バ」「ダ」などの破裂音を処理するニューロンの数が少ないというものです。  

これは、「アー」などの長母音は約0.1 秒間持続するが、破裂音は、0.04秒しか続かない。子どものうち、この短い音を聞き取れないと、一つ一つの文字と音が結びつける辞書ができず、文章を読む上で深刻な障害になるというわけです。

英語では、破裂音が聞き取れないとことばの意味をなさないので、例えば「book」というようにbが聞き取れないと意味がわからなくなってしまいます。英語ではこのような音の組合せが多く、日本語より読みの障害が多いと思われます。

日本語では、英語のように音素の組合せが複雑ではないのですが、日本語の音と読みの障害に関係でどのような影響かあるかはまだ十分研究されていません。