Free & Trial Lesson

  2月から3月は、ECCのホームティーチャーは、無料体験授業のシーズンです。ECC以外の方も、お教室を開いていらっしゃる方は、生徒募集のためのレッスンをこの時期に実施するでしょう。毎年の事ながら、毎回新しい生徒に“なるかもしれない”子供たちを前に、先生の方も緊張します。
  ここでは、無料体験授業の工夫例やヒントを、先生方の苦労や成功例・失敗談も交えながら、ご紹介してみようと思います。
  このページをご覧になった方、ご自身のレッスンプランやアイディア、こんな経験あんな経験、そして愚痴・不満まで、なんなりと下記のどれかにお寄せ下さいませ。

Contents
Before Warm-up Activities カウンセリングマインド

お便り・ご意見・御感想・アイディア等お待ちしてます。

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Before

無料体験授業を始める前に準備する事って、ゴマンとありますよね。レッスンの準備もさることながら、願書を始め書類の準備だけでも結構大変。教室を整えるのもなかなか。4月からの教材を用意しておいたり、その説明をおさらいしたり。Name TagやAttendance Cardの用意、StickersやPresentsの用意・・・。数え上げたらきりがないくらい。
 あっ、どなたか書いてましたけど、
貸し教室だと、忘れ物に要注意。物品リスト作って、チェックが必要ですね、きっと。

1.保護者向けレター類

 入学願書やパンフレット・学費案内・新年度時間割・無料体験授業スケジュール等はもちろんですが、ちょっとしたアンケートは用意したいですね。
    
◇英語を習わせようとしたきっかけは何ですか。
        本人が習いたがったから
        中学に備えて
        (中学生)学校の勉強がよく分からないから
        これからは英語が必要だと思ったから
    
◇英語学習の経験がありますか。
        教室に通った事がある
        教室に通った事はないが、家庭でやらせている
   
 ◇英語教室に何を期待しますか。
        楽しい授業で英語を好きになって欲しい
        外国人とこだわりなく接することが出来るようになって欲しい
        学校の成績アップ
        小学校の英語導入に備えて、英語に慣れて欲しい
        会話が出来るようになって欲しい
    
◇この教室をどうやって知りましたか。
        新聞のチラシで
        知人の紹介で
        教室の看板・ポスターを見て
    
◇今日の授業はいかがでしたか。
    ◇他にどのようなお稽古事に通っていますか。(曜日・時間)

  願書の時でもいいのですが、最初に聞いておくと、以後参考になるし役に立ちます。もっとも、こういうアンケートにきちんと答えてくれる保護者の方は、教室が気に入った証拠でもあるんですが。
  そのほか、ECCだと
ウォームアップコースのご案内だとか、メイトカードなんていうのも忘れないように渡さなくては。
  これらの書類に、それぞれ
教室のゴム印を押したりするだけでも、結構時間がかかってばかに出来ません。

2.Name Tag、 Attendance Card

  たとえFree Lessonでも、人数が少なくても、名札は必要だと思います。幼児はもちろん、新中1ぐらいでも、ローマ字の名前が読めるわけではないのですが、英語の名札を作って付けさせる事で気分が変わるのはもちろん、なにより、先生が名前を忘れずにすみます。
  
適当な形のName Tagを用意しておき、出来ればその場で名札を作ります。凝ったName Tagを用意する時間がない時は、裏が粘着テープになっているパーティー用のネームシールでも。こういう小道具は常に用意しておくと慌てなくて済みます。
  わたしは、ECCの昨年の研修でも紹介された
りんごの形のName Tagを、今年は、上に赤いリボンを小さい輪にして付けて安全ピンを付けたものにしました。教室の壁に、Apple Treeを貼って、赤い画鋲を刺したところに、Apple Name Tagのピンを引っかけるようにしました。(去年両面テープでやったら、すぐはがれちゃったので。)Appleは、知恵のsymbolでもあるところから、9月が新学期の米国等では、秋に収穫されるAppleは、教育現場に頻繁に登場するitemです。
  ちなみに、
    銚子教室の
miki先生は、ミッキーのメダルの名札を用意されたとか。
  
  AKO先生は、可愛いウサギのネームプレートで子供の心をつかんだそうです。
  みなさんは?

  Attendance Cardは、レッスンが終わって帰り際ということになりますが、今日の内容を簡単に書いて、次回のご案内を書き込んで、生徒に渡します。Stickerなど貼るのも欠かせません。
 1回のTrialで済ますのがbestなんでしょうが、ECCだと、一応8回まで(!)(とんでもないと思うんだけど)あるので、Attendance Cardが必要になります。わたしは一応4回までを目安にしてます。だって、あんまりやってしまうと、無料体験やらなかった子と差がついてしまうから。1回でもかなり違うっていうのが毎年のわたしの実感です。
  
Cardのdesignは、ECCでいただいたものを拝借してます。オリジナルをそろそろ作りたいのですが、どなたか作った先生、教えて下さい。

3.Decoration & Clothes

 教室内の飾り付け、掲示物・展示物については、言わずもがなの感もありますが、やはり、手作りの物や珍しいもの、可愛いものは生徒の目を引きます。先生のアピールも大切なので、保護者席に近いところに、さりげなく大人にアピールするもの貼っておきたいですね。
 何か、これ!っていうもの貼ったり置いたりしてる方いらっしゃいますか?

  服装は大切なポイント。Free Lesson用の服装を用意している先生も結構います。どういうのかというと、先ずColorです。Colorfulなセーターを用意して、“Touch something red!”などといったActivityのとき、先生にtouchしてもらえるようにするわけです。何色も都合よく入ったのがなくても、なるべく鮮やかなblueや、yellowのよく目立つものを身につけて、子供たちにtouchしてもらえるように備えるわけ。やっぱりスキンシップは効果的ですから。
  もうずいぶん前になりますが、
purpleのスカートをはいて、PBの無体で、purpleを探させた時、お母さんの膝からなかなか離れなかった子が、おずおずとわたしのスカートの裾を引っ張りました。で、目と目が合って了解。その子ももうPAです。

(2002、1/7)才能豊かなAngela先生は、ドラえもんのデザインで、ちゃんとポケットのついたエプロンを作ってあって、無体の時にはこれを身に着けて生徒を出迎えるそうです。初めてで緊張している子供も、大きなドラえもんの顔に大喜び。ポケットから、これまた手作りの小物が出てくる仕掛けで、まあ、こういうのがあれば無敵です。

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Warm-up

  始まりは、やっぱり“Hello!”ですよね。で、名前を聞きながら、用意したとっておきのName Tagに名前を書き込みながら、緊張をほぐしていく、っていうのがやっぱりいいみたいですが、
  
“ I'm Yuriko. What's your name? ”と、ひとりずつていねいに。必ず初めに “ I'm Yuriko.”と、先生は自分の名前を、ひとりひとりいちいち付けて尋ねます。相手に名前を聞く時は先ず自分から、というmannerです。それに、何回も先生の名前を言っていれば、子供たちが先生の名前を覚えてくれます。体験授業から帰って、先生の名前が言えるって、いいでしょう?
  実は、これはCALAのセミナーで教わったやり方です。
  ところで、自分の事を教室で生徒達になんと呼ばせてますか?わたしは、小学生以上には、
“Mrs. Katagiri”と呼ばせてるんです。初めての子や、低学年にはちょっと難しいんですが。新米teacherだった頃、外部のセミナー(CALAじゃないところ)で、ある講師が、結構難しい苗字なのに、小さい子にもちゃんとMrs.〇〇と呼ばせているのに出会い、「いいなー」と思って真似しました。確かに初めは“ Mrs..”が難しいんだけど、2回、3回と通ううちに上手に言えるようになって、3回目ぐらいには“Hello, Mrs. Katagiri!”って、すっごく得意そうに元気良く言います。こうなればもううちの教室から離れられません(?)

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Activities

  Free & Trial Lessonでは、「とにかく楽しく!」というのがメインテーマです。従って、このActivitiesの重要性は語るに及びません。では、さっそく。

1.Colors

  色の導入は、幼児クラスはもちろん、低学年でもたいていやります。色紙などでももちろん間に合うし、Pointing Gameや、Touching Gameも、基本的で楽しく、大切なActivityですが、ここではもう一歩進んだ(?)ものを挙げてみます。
  生徒達の前に、
Colored Eggsを置きます。(EasterのActivity用のものでも。Colored Tagsでも。)場所があれば、生徒達はCircleを作って、短いSongを歌いながら回るとgoodですが、Songを歌いながらclapするのも楽しいです。そして、Songが終わったところで、先生がcolorをひとつ言います。生徒達はそのColored Eggをpick upします。ひとつのcolorに複数のeggsを用意しておき、幼児クラスの場合などは、生徒の人数分だけ同一colorのeggsがあった方がいいです。紙より手応えのあるものの方が子供たちは大事にしてくれます。また、Songを何回も歌うので、知らず知らずSongの方も覚えてしまうという、一石二鳥のActivityです。
  もうひとつは
Balloonsを使ったもの。これは、教室が広くないと出来ないので、わたしはやったことがありませんが、ゴミ袋のような大きな袋に、ある程度膨らませたballoonsを一度にばーっとばらまいて、いっせいに指定したcolorのballoonを生徒に追いかけさせます。これはもう楽しい事請け合いですよね!やった先生によれば、子供は絶対夢中になるそうです。
  
(2002、1/7)また、いろんなcolorのballoonsを膨らませずに用意し、空気入れのポンプを袂に置いて、"red, red, red"と言いながら膨らませる、という楽しくて手軽なアイディアも頂きました。自分の目の前でその色のballoonが膨らんでいくのですから、興味津々。帰りにお土産にそのballoonをあげれば、帰り道にも"red, red, red"って言ってくれるかも。

2.Alphabet

  Alphabetの導入は、初回からたいていのクラスで実施します。Cardsを使って、発音のチェック、Alphabet Song、カルタとり、Bingo、そしてwritingと、ECCでも、この程度はマニュアルにしっかり載ってます。では、それにプラスαを、なんていうほどでもありませんが。
  先ず、
Cardですが。わたしは、Alphabetに限らず、「プリントごっこ」用の葉書サイズの無地のものを便利によく使ってます。大きすぎず、小さすぎず、ちょうどいいと思うのですが。これに、縮小コピーしたりして、Alphabet Cardsや Numbersその他を用意してます。
  そして、カルタとりは、もちろんCALAで調達した可愛い
fly swatterで、Swatです。fly swatterを使うと、みんな目の色が違うというか、大人しい子でもこればっかりは、たいてい手が、いえハエ叩きが出ます。一度やると病み付きになって、またやろうやろうと言われるのが難点でしょうか。とにかく、英語って難しそう、と思ってやってくる高学年の生徒などには、無料体験の最初の授業で絶対オススメです。

  導入した後、1文字づつ覚えさせるために。
幼児や低学年の場合ですが、3文字づつセットにして、例えば
“A,B,C,”とメロディー(“Hot Cross Buns”)を付けて並べます。(ハ長調で「ソ、ソ(一オクターブ下)、ド」という感じ)そして、“One, a penny, two, a penny,”(「ソファミレ ドレミファ」という感じの節で)と唱えながら3枚のカードの場所を変えます。並べ替えたら “B,C,A,”(「ソ、ソ、ド、」)と、並べ替えた順に節を付けて言います。また“one,a penny, two, a penny,” で、カードの順番を入れ替え、“C,A,B,” というように繰り返します。
  呑み込みの早い幼児だと、すぐ自分でカードの順番を変えて、次々と自分達でやってくれます。見ているお母さんが感心してしまった事もたびたび。簡単なActivityですが、結構使えます。また、Alphabetだけでなく、Numbersとか、Colorsとか、いろんなモノに応用できるのも便利です。

  Picture Dictionaryを使って。
    最近各出版社では、このPicture Dictionaryに力を入れていて、新しくていいものが次々に出ています。で、この手のDictionaryは、Dictionaryとしてだけでなく、工夫次第で様々に使えます。
  Alphabetの一覧表が大抵付いているので、これをコピーします。(教材として生徒に1冊ずつあれば申し分ありませんが、何枚かコピーして着色しておいたものでも、十分使えます。カラーコピー も安く出来るようになったので、わたしはそれをもっぱら利用してますが。)このAlphabetの表を使って、ペアで双六をします。coinの裏表を使って “Heads or Tails?”で、Headsなら3step、Tailsなら1stepというようにしても、サイコロとはまた違って、面白く遊べます。 (お金を使うのが問題、という場合は外国のコインなんかでも。)
  Free & Trailなら、自分の tip が来たところのただAlphabetを言わせるだけでもいいですが、レギュラーのレッスンなら、Phonicsを言わせたり、“A is for an Ant.”などと、その文字で始まる単語を考えさせたり出来ます。大きなAlphabet Posterではない、小さい表を使うところがミソです。

3.New Words

  Free Lessonとはいえ、いくつかの単語を導入したり、基本的な単語を覚えさせるための工夫は必要となります。このとき、やはりPicture Cardsでの導入、Cardsを使用したActivitiesが不可欠となります。その上で、Charade(gestureによるguessing game)や、実物を使用したり、というActivitiesがいろいろ考えられます。

  (2002、1/7)ECCでは、Picture Cardsでの導入後、chantでリズムよく単語を元気に言わせる、というのがあります。tapeに合わせてやるので、これはたいてい元気に楽しく出来て、初めての生徒たちもウキウキとやってくれます。
  さて、この後、いきなり自分で発音するのはちょっと、という場合--大抵はそうなんですが--
生徒をボードの前に立たせて、tapeのchantに合わせて支持棒を使ってpicture cardsをpointさせます。これだと、今テープに合わせて自分が言った単語ですし、聞いた通りに指せばいいので、自分で発音するより簡単でプレッシャーが少なくてすみます。それに、自分が先生になったみたいで気分がいい。首尾よく出来ると、傍らで見学のお母さんもニッコリだし、"Wonderful!"とか誉めちゃえば、さらに気分も上々というもの。
  易しすぎたり、もう1回、という場合には、カードの位置を変えて順番を違えればちょっと難しくなります。
  
生徒に先生役をやらせる、というのはとても大事なステップで、出来ればActivityのたびにやると効果的です。

     Picture Cardsで導入、Chantsを使ったりして、一通り練習したら、“Close your eyes.”と言って、Boardなどに貼ったCardsのうちの一つを隠して、“Open your eyes.” で、“What's missing?” とか、“What do I have?”と質問、隠したcardの単語を生徒に言わせます。なかなか言えなければ、Yes/No question にして答えさせます。これは初心者向きのようで、簡単ながら、飽きずに子供たちは考えてくれます。

  次のステップとして、NumbersやColorsとのMixがあります。
剥がせるシールなどに
numberを書いてcardに貼っておきます。それを並べて、“What's the number of 〜 ?” と質問し、生徒にその単語のcardに貼ったnumberを言わせます。一通り慣れたら、今度は“What's the number three?” のように、今度は先生がnumber を言って、生徒はそのnumberの単語を答えます。さらに、その二つの質問をmixして、at randomに質問していきます。
  これは、colorsと組み合わせても出来ます。
“What color is 〜 ?” で、単語と一緒に貼ったcolor を答える、“What picture is green ?” などで、colorの貼ってある単語を答えてもらいます。
  colorとの組み合わせでは、
サイコロの6面に6色のcolorを貼った手作りサイコロを使って出たcolorの単語を言うようにすると、questionがなくなるので、生徒達だけで、gameが出来、グループで楽しむ事が出来ます。

  先生がいつも質問して生徒が答えるばかりでなく、生徒の方から何か言わせたり、生徒同士だけでやらせたりする工夫は大切です。無料体験授業でも、この生徒達にやらせる、ということを心がけたい、と思っているんですが。

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カウンセリングマインド

  いくつか思い付くままに挙げてみましたが、でも、なんといっても、Free&Trialで神経を使うのは、初対面の生徒と保護者を相手に、入学してもらう事を目的として授業を行うということの難しさでしょう。気心の知れない子供の扱い方、様々な期待や疑問を持ってやってくる保護者との接し方、などにむしろ頭を痛めたり、うっかりした事を言ってしまったりして後悔したり、思いがけない事を言われて傷ついたり、ということが多々あります。
  わたしも、いろいろ失敗や後悔の例は事欠きませんが、今まで何とかやってこれたのには、ホームティーチャーを始める少し前から勉強し始めた、カウンセリングの学習に負うところが大きいと思っています。もちろん、無料体験授業だけでなく、日頃の授業や、あるいは子供が何かを学習していく過程、それを手助けするサイドとして、このカウンセリングの勉強はいろいろ意味のある事に今更ながら気づく事が多いのですが。
  ここでは、主に掲示板に書き込まれた悩みや反省、喜びを踏まえながら、わたしなりのカウンセリング観のようなものを交えて、皆さんと一緒に少し考えてみたいと思います。なんか、生意気なような気もしてますが、少しでも今年開講する先生方の励ましになれば、と考えて、敢えて書いてみる事にしました。

1.子供たちに対して

 わたしがECCのホームティーチャーを始めた動機は、「いろいろな子供たちを見てみたい。」という事でした。自分の子供はもう高校生でしたが、子育ての間に、いろいろな子供と家庭と学校の先生と、それにまつわるいろいろな問題(不登校、家庭内暴力、成績不振、いじめ・・・)を見てきたことと、そして個人的に勉強を見てあげる子供が出てきたのをきっかけに、なんだか、いろんな問題にさらされている子供たちを、放っておけなくなった、ただ黙って見過ごしていられなくなったのです。つまり、「英語を教えたい」というより、「子供を教えてみたい」から始まり、それには英語なんか面白いかも、と思ったのでした。
  だから、
子供たちとどうやって接するか、どうすれば子供たちに優しくなれるか、子供たちが自然に振る舞えるように、ということは、結構考えてきたつもりなんですが、失敗もかなりありまして…。

  わたしが勉強しているのは、カール・ロジャースの「来談者中心療法」の教室です。彼のカウンセリング論は、「人間は本来、前向きで、社会的で、創造的だ」という人間観に基づいています。ですから、その人本来の姿になりさえすれば、人は必ずその人にとってよい方向に向かう、ということです。カウンセラーは、クライエントがその人本来になれるように援助します。そのために、クライエントを無条件で受け入れ、クライエントの気持ちに共感し、そのことを、カウンセラーとしての純粋性を持ってクライエントに伝えなければなりません。

  教室での授業も、カウンセラーを先生に、クライエントを生徒達に置きかえれば、カウンセリングの理論や体験はそのまま当てはまります。生徒達が、「ちゃんと指導しないとついてこない」とか「放っておいたら何もしない」というふうに見ていると、先生は管理・指導型になり、生徒達は確かに放っておくと宿題もしないしテープリスニングもしない、ということになるかもしれません。でも、「生徒は本来学ぶ事が好きで、自分で創造的になっていく」という風に見ていれば、、先生はゆとりを持って接する事が出来、生徒の方から「先生、宿題は?」というふうに、逆に要求されるという風になっていきます。
  PEやPFの授業で、昨年度も今年度も、生徒達は初めたばかりのフレッシュな意欲もあったのでしょうが、
宿題のライティングシートだけじゃ足りなくて、Alphabetの練習だとか、Conect the dots.(線つなぎ)とか、こちらがコピーするのも待ち遠しく、奪い合うように持って帰っては、翌週誇らしげに見せに来るのです。こういう現象って、「子供は言わなきゃ宿題はしない」のが当たり前という親御さんなんかには信じられなくて、ECCって宿題が多いなどと勘違いされた事もあったくらいでした。

  Free & Trial 無料体験授業は、このカウンセリングマインドそのものだと、つくづく思います。つまり、おずおずドキドキとやってくる、あるいは好奇心いっぱいでやってくる生徒達を、先ず、丸ごと無条件で受け入れる事から始まります。何も言えない無口な子も、知ってる事を言いたくてしょうがない子も、活発な子も、活発すぎてあばれる子も、お母さんの傍から動かない子も、うまく言えない子も、発音が日本語になってしまう子も、とにかく「今、ここで」のその子のありようを、全部受け入れてあげる、それでOKよ、というサインを出してあげる、ということが大切です。
  これを受容と共感といいますが、なかなか難しい事ではあります。なぜか、というと、
自分の中のいろいろな価値観や既成概念のようなものにひっかかってしまうからです。「えっ、どうして何も言わないのかしら。」「今は黙っててくれないかしら」「いい加減お母さんから離れてもいい頃なのに」などなど。これらの考えを持つ事事体は別に悪い事じゃありません。常識は大切、自分なりの価値観も大事。でも、無体の時だけ、ちょっと棚上げしておいて下さい。
 ただ、その子のありよう、
その子の存在を受け入れるという事であって、わがままを認めるとか、カタカナ発音をそのままにする、とう事では、勿論ありません。初めての場所、初めての先生、初めての英語に接して何も言えない、そういうその子のありようをそのまま受け入れる事で、でも、帰りたいわけじゃない、ここに居たい、分からないわけじゃない、一緒にやりたいことはやりたい、などということが見えてきます。

 初めての子は、やはり、発話に至るまでにかなりの葛藤があります。たとえ、“Hello.”の一言でも、DogやCatのような知っている単語でも、自分で発音するというのはプレッシャーがかかります。ですから、なるべく発話しなくてもよいもの、聞いて判断すればいいもの、SwatやBingoなどのGameはルールもわかりやすく、そういう良さがあります。

 トラブルメーカータイプは、少し放って置いた方がいいかもしれません。「静かにしている事が出来ないんだな、でもつまらないわけじゃないらしい。」で、ちょっと興味を示してきた時に、簡単な質問を振ってみる。簡単に答える。そのとき、ちょっと真剣に誉めてみる。お座なりでは駄目。生徒はとっても敏感だから、先生が本気かどうかすぐ見破ります。ここで、教師としての純粋性(透明性とか、自己一致とも言います。)が問われるわけです。思ってもいない事を言うのではなく、その子の存在を尊び、かけがえのない一瞬だと思えれば、自然に誉め言葉は出ます。
 で、ホントに誉められたって実感すると、嬉しそうにします。「嬉しい?先生も嬉しいよ。」
 
自分が認められた、という実感を与える事は難しいけれど、絶えず努力したい事ですね。先生が認めたと思っていても、生徒にその実感がなければ駄目なんです。生きた言葉で伝える事、それが大切です。

2.保護者に対して

 受容と共感、純粋性という、カウンセリングマインドの3本柱は、保護者に向かう時にもそのまま当てはまります。
 お仕事で忙しい方、小さいお子さんがいらっしゃる、体が弱い、老人がいる、PTAの役員をしている、ボランティア活動をしている、などなど、お母さん達もなかなか忙しく、
大人としての様々な立場や考え方があって、とても一筋縄ではいきません。だから、そのことを先ず受け入れておかないと、先に進まない状況です。
 懇談会等で、子育てについてや、家庭の事に付いて、母親自身の問題に付いて、話が及ぶ事もあります。それは、何かのサインでもあり、その場で必要な事だから出てきたのだと思います。
こういう話を聞いたりする事は、無用な事ですが、用になる事なのです。
 子供への期待・要求が高すぎる場合があります。逆に、過小評価が過ぎる事があります。幼稚園や学校に対して、ひどく臆病だったり、警戒心が強すぎたりする事があります。批判したり、その場しのぎにしてしまう事はたやすいですが、子供との関わりの中で、その親のその子への思いに寄り添うという事が大切だと思っています。

 しつけに厳し過ぎるように思われたお母さんがいました。出張もあるフルタイム勤務です。最近お父さんの方の実家の隣に新築して越してきました。おばあちゃんがいます。2年生の息子は、落ち着きがなく、乱暴です。会話は嫌いではなく、理解力は優れていました。ただ、フォニックスになるとさっぱり。何故か大人しくなってしまうのです。
 あるとき、おかあさんが、「わたし、耳が駄目なのです。」と言いました。何のことだか分からずにいると「何種類かある電話の音の区別が出来ないんです。大学受験の英語の発音問題は、全て記号で暗記しました。あの子も駄目かもしれません。」わたしは、お母さんのその子に対する切ない愛情を痛いほど感じてしまいました。

 文字に全く興味を示さない子がいました。普通はわからなくても、「A、B、C、D、・・・」と順に言ってみたり、Alphabet Posterで探したり、いろいろ自分で工夫するのに、そういう事もしない。実に面倒くさがる。どういうことだろう。日本語は大丈夫なんだろうか。案の定、学校でひらがなを覚えるだけで大変だから、Alphabetにまで手が回らないとお母さんは言う。「毎日毎日50音を必死にやってるんです。どうしたらいいか。」学校で落ちこぼれるのが不安でたまらないお母さんの苦しさ、それを毎日感じている子供でした。

 どんなに努力しても成績の上がらない生徒でした。宿題も一応やる、休まず来る、授業中もちゃんと聞いている、でも覚えないし、理解したつもりでも、問題が解けない。平均点なんてとても無理だから、「1」をとらないようにしよう、30点とるにはどうしたらいいか、私はそれを考えて、その子はその為にその子にとっては「死ぬ思い」をしました。でも20点代しか取れなかったりする。点が取れないという以外、欠点の思い付かないほどいい子です。「成績さえもう少し取れれば何の問題もないけれど。」と、おかあさんは深い溜め息をつきました。この時代にその子をどうやって生かしたらいいのかという、苦悩の現われでした。
 でも、その生徒には夢があって、その夢を叶えるために、やっぱり高校へ行こうと決心し、推薦を取るために、面接試験を受けます。「あなたの思いを、高校の先生に伝える熱意と努力を忘れないで。あなたの思いを、相手は知りたいのだから。」担当の試験官は、その子の言わんとする事を上手に汲み取ってくれたそうで、無事合格しました。

上記はいずれもレギュラークラスでの事ですが、無料体験授業で接する保護者も、子供に対していろいろな思いを持ち、それを私たちにおずおずと向けてきます。些細な一言に思いがこもっていることを忘れずに、心して向かいたいと思います。

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